任意団体の総会は、どちらかというと議事進行はシャンシャンと終了し、二部懇親会にウェイトをおくパターンが多いように思います。それでも一年の総決算としてキチンとやるべきところはやらなければいけないと、私は思っています。
一年間の活動を報告し、本年度の方針や計画を審議する事ができる貴重な機会です。お金の動きは人の動きであり、何にどのくらい予算を使うのか、あるいは使ったのか、とても大切なことです。
来賓に神社総代、町会の役員、お神輿青年会の役員をお招きし、来賓はオブザーバーとはいえ、囃子連の方針を説明し、ご理解いただき、ご意見を頂くことが、準備の第一歩になります。
昨年のこの総会で、平成30年阿伎留神社例大祭において山車を曳くという計画が承認され、その計画に予算がついて正式に準備に入ることができました。そして予定通り今年の祭礼でその計画が完結したわけです。会として、とても重要な手続きを踏む場が総会なのです。
本総会において役員改選を行いました。本来は任期がもう一年あるのですが、昨年の総会で特例措置として1年で改選することが決議されたのをうけた改選です。
今回の役員改選は、新しい方針のもと、それに準じた人事構成が行われました。新しい方針は「未来につなげるための10年」です。
今までの10年は、他団体との交流を通じて学びの基軸を整え、それを継承の力にして活動してきました。しかし、時の移ろうのは早く、人々は年齢を重ね、生活の環境も、生きるための価値観も変わっていきます。これは老若男女すべてにあてはまります。
未来にこのお囃子を繋げるために、一番大切なアイテムは子ども達です。その子ども達を一番理解してあげられるのは母親に間違いありません。現在の役員に欠けていたその世代に、役員として会の運営に参画してもらうことにしました。
そして、もうひとつはシスターブラザー制度の強化です。
若者世代の価値観を運営に取り入れるためには、同じ価値観を持つ世代の提案が必要です。今回の役員改選では、20代・30代からも役員に加わっていただきました。
まさに時の首相が打ち出した「全員野球」のごとく、適材適所でそれぞれに個性を発揮してもらい、役割分担を持って次の世代につなげていくこれからの10年をみんなで造っていってもらいたいと思います。
さて、少しでも五日市のお囃子について発信していきたいと、浅学非才な私が駄文を綴り、平成18年からはじめたこのWebサイトも、早いもので13年目を迎えます。SNSが主流の時代に、こんなタラタラしつこい駄文を読んでくださる方は、よっぽどご酔狂な方々と存じます。
そんな皆様に、超レアな情報をお届けします。
他所の総会の活動日誌なんぞ、ここまで読み進める方はそうそう多くないと思いますので、レアな最新情報としては間違いありません。別に緘口令が敷かれているわけではないので、記録として書いておきたいと思います。
五日市中学校学校区内には、囃子連が13団体あり、五日市中学校伝統芸能部をバックアップすることを目的として、平成24年12月に、この13団体で後援会を結成しました。
この6年間、後援会の枠組みでさまざまな活動をしてきました。そして満を持してこのたび、この13団体によるオール五日市の囃子連が結成され「五日市社中(いつかいちしゃちゅう)」と命名されました。現在統一半纏を製作中でございます。
五日市社中、第一回目のデビューイベントは3月17日(日)に開催されるあきる野市観光協会青年部主催「あきる野の奏でin阿伎留神社」となります。そして第2回目の大きな行事は5月2日・3日の・・・詳細は改めてお知らせです。
というように、世の中が目まぐるしく変化し、五日市のお囃子も新たな時代をむかえようとしています。
この変化にどのように順応していくか、この10年が大きなターニングポイントになるでしょう。
「五日市社中」と聞くと、若山社中、松本源之助社中、などなどプロのお神楽集団を連想します。しかし社中の語源をたどると、「広義には同じ目的を持つ人々で構成される仲間や組織を指す。狭義においては、茶道や華道、神楽などの同門の師弟で構成される、活動の拠り所となる最小単位を社中と呼ぶ」とあります。
まさに、五日市社中の13団体は、同じ目的をもつ人々であり、柳川長吉の同門師弟で構成されているわけで、すなわち強力な社中であることに変わりありません。
五日市のお囃子環境は、決して継承に有利なのもではなく、いってみれば弱者です。 社会科学の理論によれば、弱者が集まって、できるだけ多くの弱者を生かすようにしたのが人間の生存戦略なのだそうです。
闘争も協働も人間社会の構成要素だけれども、どちらがより人間社会の本質かといえば、協働です。闘争がどれほど活発化しようが、最後は協働しないと人間は生き延びられないということです。