あきる野市では、平成27年に地域子ども育成リーダー制度が創設されました。
少子化が進み、子どもを取り巻く環境が大きく変化する中、子どもが健やかに成長するためには、家庭や学校だけではなく、地域の大人たちが子どもを見守り、成長を支える取組が必要です。
地域の絆を深めるとともに、郷土愛を持った「あきる野っ子」を育てるため、大人たちの知識、経験などを生かして、それぞれの地域における子どもの安全・安心の確保と健全な育成を担うことが目的です。
この制度は、市が主催する研修を修了された方を「あきる野市地域子ども育成リーダー」として市長が認定するものです。認定された方は、長年の経験、知識、技術を生かした、子どもの学習、スポーツ、文化活動、郷土芸能等の指導・活動支援や、地域での子どもの見守りなどについて活動します。
そして今回、その制度を利用して地域子ども育成リーダーの専門性を生かし、子ども育成リーダーが提案した事業として「お祭りでお囃子できたら楽しいぞ! 五日市のおはやし はじめての一歩体験講座」を開催しました。いわゆる子ども向けのお囃子ワークショップです。
私たちの暮らしは、人と人との繋がりでできています。 地域コミュニティの形成に、お祭りは重要なファクターであり、なかでも祭り囃子の習得には、子どもが家族や学校以外の大人と深く関わることができるため、社会力を学べる場になっています。
五日市地区の囃子連13団体の指導者を内部講師として、また外部講師として垣澤社中垣澤瑞貴さんをお招きし、郷土芸能を体験してもらい、地域のお祭りに参加しやすい情報提供をおこなうことで、まずは地域に関心をもってもらうこと、最終的には郷土愛を培われた子どもたちにより、将来にむけてますます地域コミュニティの向上が図られることをめざして計画しました。
はじめての企画でしたので、どの程度関心を集めることが出来るか、参加者が集まるのか、手探りで準備を進めましたが、定員150名のところ、定員を大きく上回り250名の参加となりました。100名の定員オーバーがあっても、やんわりこなしてしまうローカルイベントです。半分以上がお囃子関係者ということでもあります。
先述の通り、この事業も五中伝統芸能部後援会が大きな力を発揮しました。
発起人は子ども育成リーダーですが、そのリーダーもすべて後援会の囃子連会員です。子どもの育成とあわせて、五日市のお祭り、お囃子を紹介し、13団体囃子連の新規子ども会員の募集を促す事業でもありました。それらの結果については、まだ明らかになっていませんが、地域に啓蒙するという意味で、大きな効果があったと思います。
また、囃子経験者にとっても有意義な講座となりました。
神奈川県厚木市の無形民俗文化財に指定されている、里神楽社中「垣澤社中」をお招きし、子ども向けの初歩的なものではありますが、足の運び、見得の切り方、扇の使い方のワークショップを通して、協力団体である13の囃子連にとっても有意義な講座となりました。
当会では、さっそく伝授していただいた扇の技「要返し」と「見得」をお稽古に取り入れて、来る11月4日(日)に出演する八王子いちょうホール公演の舞台でご披露する予定です。さぁ結果はいかに!