阿伎留神社水無月祓でのお囃子は、1年おきに当番が回って来ます。
今年も、留原囃子保存会さんとご一緒させていただきました。
阿伎留神社年2回の大祭のひとつ、「水無月祓」は「夏越の大祓」とも呼ばれ、多くの神社で茅輪神事が行われます。 茅を束ねて人が通れるほどの大きな「茅の輪」を用意し、それをくぐることで、罪穢れを祓い無病息災を祈る、というのが水無月祓です。五日市っ子にとって、秋の例大祭の次に楽しみにしている阿伎留神社のお祭りです。
一年の半分を迎え、それを神様に感謝し、残りの半年の無事を願うというお祭りですので、水無月祓がくると、お正月からもう半年が過ぎたのかと、時の移ろう速さを実感します。
囃子は、担当が2年に1回なので、前回の写真を見ると、子どもたちは大きくなり、自分たちは年を取り・・・光陰矢の如しでございます。
当日は、17時から上町の子どもと留原の子どもで寄せ囃子をしました。寄せ囃子は「これからお祭りはじまるよ~!」という合図のようなお囃子です。
その後、17時40分から五日市中学校伝統芸能部の皆さんがお囃子を披露しました。現在部員数18名、創部以来もっとも多い部員数で活動しています。上町囃子連からも3名が入部していて大活躍しています。
つづいて、五日市高校和太鼓部の演奏。その後、18時30分から30分間、当会がお囃子を奉納します。30分のお囃子は配役・構成を考えるのがなかなか大変です。次から次へと曲に合わせて踊りを出さないと、観客は飽きてしまいますから、囃子連総動員で頑張ります。
幸せなことに、子どもたちを含めると総勢32名の大所帯で参加させていただいたので、無事に責任をはたすことができました。
舞を切らさずに、30分の舞台をこなせたということは、やはり普段からコツコツとお稽古を重ね、経験を重ね、萎えずに飽きずに続けてきた努力の賜物だと思います。
今回の出演メンバーの20代・30代は、ほぼ全員が小学校低学年からお囃子を始めた10年以上のキャリアを持つ、いわばベテランヤンガーです。
上手とか下手とかは問題ではなく、粛々と、脈々とこの10年、当会の活動を支えてきたこの若者たちには頭が下がる思いです。
近年、インターネットの普及によりコミュニケーションが容易になったこともあり、今まで出来なかったような、他地域の囃子連との交流や、他年齢層との交流などが盛んに出来るようになり、様々なシチュエーションでお囃子共演が出来る時代になりました。
これは素晴らしいことであると思いますし、素敵な時代でもあリます。しかし、副作用的な価値観の変化が、現れることがあります。
祭礼の原点は地域の融和が最大の目的であり、郷土愛を背負、恒久的な行事として祭礼というものが存在してきたわけです。いままでも、そしてこれからもその原点は変わらないものだと思います。
フェスティバル感覚でお祭りに出向き、ライブハウスのコラボレーションのようにお囃子を演奏することが、地域を背負って郷土愛を育む囃子人として糧になるものなのか、老婆心ながら心配です。
地域に根を下ろした囃子人として、お囃子を愛し、仲間を愛し、地域を愛する心が、恒久的にお祭りを続けていく原動力になると思っていますし、そのお祭りに奉納するために囃子を覚えるわけです。
まぁしかし、今どきそんな難しいこと、面倒くさいことをいえば、誰もお囃子やってみようなんて思いませんね。
きっかけは趣味として、あるいはノリでお囃子を始めたけど、やってみたら面白くて、最終的に責任感が生まれて、頑張っちまって、気がついたら30年です・・・・ってのもアリちゃーアリね。
お囃子に限ったことではありませんが、
お祭りには二種類の輩が存在します。
お祭りをする輩と、お祭り騒ぎをする輩。
どちらも祭人であることに変わりありませんが、騒ぎには努力も責任も必要ありません。
いつでも自分の都合で行動できて、無理も我慢もせず楽しめます。
なぁるほど・・・だから楽しいは、「楽」って書くんだ。