当会が加盟する五日市中学校伝統芸能部後援会は、同部の活動を支援するために学校区内で活動する13団体の囃子連により平成24年(2012)12月に発足しました。部員もこの4月に7世代目を迎え、すでに4世代が卒業してOBとなっています。
伝統芸能部は地域と学校をつなぐ役割を果たしながら、また部員たちは五日市地区の祭囃子を支える選り抜きの後継者としても、今後益々活躍していくであろう人材として育っていると思います。
そして近年、後援会の13団体も子ども達を通じて交流が活発になっています。いわばママ友のごとく、同じ世代の子どもを抱える母親のように、どの団体も同じ悩みを抱えていて、親同士が情報交換をしながら、子育てに生かしていく、という感覚と同じです。お互いにそれを必要としていることにより連帯感が生まれているように感じます。
それに伴い後援会も組織としての新たなステージをむかえました。本年度の事業計画としてスリーステップのイベントが盛り込まれ、第1弾は去る3月に「基調講演と意見交換会」が開催され、これにより基本的な考え方や方針の足並みが大凡ですがそろいました。
そして今回の第2弾は「技術交流会」と銘打ち、太鼓を持ち込んで各団体の指導者たちが、お互いの技術を披露しあい、微妙な違いをそれぞれが改めて確認しあうことにより、伝統芸能部の指導に活かすことが大きな目的です。 くわえてこれらの情報公開が、多少なりとも参加した団体の技術向上やモチベーションアップにも役立ていただければ、との思いからの企画でした。
こうして、昨年にも増して結束力が強まり、そして第3弾となる阿伎留神社例大祭での13団体合同奉納囃子の実施に繋げていこうという目論見になっています。
とはいえ、それぞれのイベントには必ず懇親会が含まれていまして、難しい話もするけれど、どちらかといえば後のお楽しみの方が盛り上がるわけでして、最終的には有意義で楽しい集まりだったと、多くの参加者が感じてくれることが大切です。
「技術交流会」などと硬いタイトルがついていましたので、参加状況はどうなることかと少し心配でしたが、総勢70名を超える参加者により、地域ナンバーワンの大きさを誇る留原自治会館の座敷が、所狭しと囃子人で埋め尽くされました。
たっぷり2時間の技術交流会はあっというまに時間が経過し、予定通り二部懇親会に突入しました。間もなくお囃子共演が始まり、古ばやしでは、会場一体となる掛け声が響き渡り、仁羽では予定にはなかった踊り手も次から次へと繰り出されて、会場は想像を絶する熱気に包まれていました。
留原自治会館は私にとって聖地です。今から32年ほど前、この会館のこの舞台で、今は亡き名人と言われた大先生たちの囃子に緊張しながらも、稽古をつけていただいた特別な場所です。時を経て地域のこんなにもたくさんの囃子人が、この場所で和気あいあいと連帯を極めるなんて思ってもいませんでした。
「お互いを尊敬し、認め合うことこそが連帯の秘訣であり、伝統やプライドに縛られ過ぎると団結力は生まれません。」
この一言に尽きるのではないでしょうか。
今年の秋が深まるころには進化したお囃子ワールドができあがり、さらに楽しさ倍増ってことになるような気がします。