昨年の「神輿渡御300年記念奉祝囃子」につづき、今年の阿伎留神社例大祭は「中神輿新調10周年奉祝囃子」が実施され、五日市中学校伝統芸能部後援会に加盟する13団体の囃子連により車載山車11台と居囃子舞台をつかっての奉納囃子が行なわれました。
この奉納囃子は祭礼初日28日(水)宵宮の催しとして企画されました。前年の教訓を生かして、早くから打ち合わせを重ねて段取りを打ち、スケジュール通りに山車を巡行し、フィナーレでは山車を一列に並べて華やかに、そして賑やかにお囃子が奉納されました。
この13団体の枠組みは、五日市中学校に創部された伝統芸能部の後援会として、学区内の囃子連で組織されました。すべての団体が同じ神田流の祭囃子を継承している点が大きな特徴です。百数十年の伝承経路たどると、行き着く師匠は一つになりますから、微妙な技の違いはあるものの、すべての団体が同じ囃子を演じることができるというのは、組織として大きな力になっています。
少子高齢化のこの時代に、それぞれの地域、団体の力のみで、保存や継承を行うことは、今後ますます大変になることは容易に想像できます。この枠組みの結束力を強め、同流派という特徴を活かして活動するメリットは、我々にとって計り知れません。
さて、今年の祭礼3日間を振り返ると、天候はまずまずといったところでしょうか。祭の楽しさはやはりお天気にも左右されてしまいます。初日の奉祝囃子は終わりのころにザァーッと降ってきましたが、なんとか予定通りに進行出来ました。2日目の町内氏子廻りは、近年にないドシャ降りでビッショリになりましたが、夕方から雨が上がり、夜は恒例の交流団体との宴も大変賑やかに催すことができました。30日の最終日は、雨の心配もなく、この祭礼の見所ともいえる桧原街道から阿伎留神社参道への神輿宮入れ、それを彩る4台の山車による送り囃子には、多くの見物人も傘を開かずにすみました。
最終日が金曜日だったせいか、人の出も多く、とても賑やかな最終日だったような気がします。 祭礼はたくさんの人々の思いが交錯して、準備から片付けに至るまでその思いが原動力となって進んでいきます。 楽しいと思うから、人が集まり、人が動くわけですから、理屈抜きに楽しいのがお祭りということなのでしょう。
参加した囃子連13団体の人々の交錯した思いは、10月9日(日)に栃木県鹿沼市の「鹿沼秋まつり」への日帰りバス旅行に行こうという形になりまして、総勢36名でバスを貸し切って、反省会を兼ねた親睦旅行をおこないました。
車中反省会では、今年の奉祝囃子の感想をふまえ、今後の要望について各団体にマイクが回されたところ、是非来年もこの枠組みでお囃子を奉納したい、という意見が大半を占め、二年続いた奉祝囃子とは形態が変わるかもしれませんが、この枠組みの特徴と力を十分に活かした企画が進められることになりそうです。